オーストラリア戦の前はブラジルに勝てるとはほとんど考えていなかった。
オーストラリア戦の後はブラジルと引き分けられると期待しだした。
クロアチア戦の後はブラジルに勝てると言い出した。
ここ1、2週間の日本のメディアの変遷はこんなところでしょうか。
第2次世界大戦の当時、日本はミッドウェイ海戦に敗れてからというもの、南方ではアメリカに連戦連敗でした。敗走する日本軍を、当時の、大本営、新聞は「転戦」と表現して日本が負けているという事実は国民には伝わらなかったのです。
さて、今のWカップをめぐるメディアの論調は、「敗走」を「転戦」と表現したかつての新聞に似ていると思いませんか。圧倒的に不利な状況でありながら、首の皮1枚の可能性を針小棒大に言い募って世論を煽っています。オーストラリア戦の敗戦を踏まえるならば、クロアチア戦は、勝点1を稼いだ試合ではなく、勝点2を失った試合です。でも、メディアは、次につながる勝点1と評してブラジルに勝てるとエスカレートしていきます。
この1,2週間のうちにブラジルはそんなに弱くなりましたか、日本は大幅に強くなりましたか。少なくとも、オーストラリア戦前にブラジルに勝てるなんて記事を書いたら、おそらくボツでしょう。現時点では、ブラジルに勝つのはかなり難しいというほうが正当な評価でしょう。どうして正直にそう言わないのでしょうか。こう言うと非国民になっちゃうのですか。
私は別に日本はブラジルに負ければいいと思っているわけではありません。勝って欲しいと思っています。ただ、勝てるとはほとんど思っていません(多少は期待していますが)。
選手がブラジルに勝つという信念を持って練習し試合に臨むべきであることは当然です。周囲がそれを応援するのも大賛成です。ですが、今の日本の状況は、応援しているというのではなく、勝ちたいを勝てると言い変えて、お祭り騒ぎではしゃいでるだけのように思います。クロアチア戦の敗戦直後、笑顔のサポーターがテレビに映し出されました。本当に応援してたら悔しくて笑顔なんか出ないでしょう。でも、はしゃいでいるだけだから、悔しさなんか感じないんですね。だからカメラが向けられると笑顔が出るんですよ。メディアが今のような論調で世論を煽る限り、応援してるんだかはしゃいでるんだか分からない、こういうサポーターが増殖していくんでしょうね。
ただ勝てる勝てるとまくし立てるのは応援とは違います。ただの慢心、あるいは空騒ぎに過ぎません。慢心したら勝てませんよね。
私は日本を応援していますが、ブラジル戦で成し遂げて欲しいことは勝点を上げることではありません。
今、日本のFW陣は世界からこき下ろされています(親日家のリトバルスキーにまで辛辣に貶されたのはちょっと悲しかった)。ブラジル戦ではなんとしても得点をあげてこの汚名を雪いで欲しい、日本の誇る中盤の力を世界に示してブラジルに肉薄して欲しい。勝ちたいという執念が、きっと試合の内容も高めてくれます。そういう試合をブラジル相手に見せてください。勝点云々はクロアチア戦までで終わった話です。
桜のように、ぱっと咲いてぱっと散る、これもたしかサムライの道でしたよね。
※ 第2次世界大戦云々と書きましたが、これは人から聞いた話で、私はそのころはまだこの世に存在していませんでした。念のため。
最近のコメント